睡蓮/アハウ
樹木の陰が
けだるく映る
細い暖かな湧水が
濁りの池へ静かな型を決めて流れ込む
表面張力の曲線を孕み
丸あるい葉は
水面を押し分けて浮かぶ
黎明からひと時すぎた
小鳥のさえずりは深く心を潤す
陽射し赤く弱弱しい 流れる影と
細い波紋の水面に濁り水
立ち上る 上を向いて
薄ピンクの綺麗に輪郭を別けた
睡蓮がメタモルフォーゼの中に浮かび
深い緑の大地に
点滅の花を散らす
大地はうねり
睡蓮を濁り池の域から
選別して大地へ取り込もうとする
この大地の刷新に
花は必要だ
風景の表情に生きている
水面の睡蓮 大地の窓
映りこむ 空と木陰
朝間の紫雲と
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