箱/げ
 
くだらーん俺を消したいのでした 
なんもない 
なんもない 
なんもない世界に行き 
真っ白なままでやり過ごしたいのでした 
そうさ それさぁ 
幻想っていうの? まぁ知らん 
俺知らん、素面で知らんフリか、しらん 
死んだ事にしたい 
捨てときたい 
忘れてもらいたい俺が 
そこにずっとずっと立っておるのでした 
そのくだらん俺を 
抜け出せぬままの俺を 
眺めている俺も消したいのでした 
そうやって 
部屋の隅っこで 
とぼけたふりで 
やり過ごそうとしたって 
7時には起きるし 
腹は減るし 
仕事には行くもの 
因果ですよ、ねえ 君
居ねえもの君 すでに 
そうやって
部屋の隅っこで 
とぼけたふりで 
くだらーん俺を消したいまま 
ずっとずっと突っ立ったままの 
俺がおるのでした
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