白いタルタルソースの伝説(1/2)/hon
 
 平助は重苦しい空気をひしひしと感じながら、発言を続けていた。
 こういった問題の検討について倫理的な側面ばかりでなく、生物学的社会的なアプローチが必要だということを、平助は執拗に説明しようと試みた。
 平助がいうには、大人に保護されなければ生きていけない赤ん坊は、大人の保護欲求を促進させるべくあらかじめ愛らしい容姿を備えているというのだ。人間の眼球というものは、生まれた時から死ぬ時まで、大きさがほとんど変化しないのだという。すると小さな子供の頭には相対的に大きな瞳があるということになる。これは見た目の上で保護を要求するサインとなっている。
 大人が赤ん坊に愛嬌を感じるというのは、人間の社会
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