女であるということ/yoshi
 
好きだった男の背中に爪を立てた次の日

その男の妻が現れて私に平手打ちをした

ちょうど

仕事でミスをして上司にこっぴどく叱られた日

男に慰めてもらおうと男の帰りを待っていた時だった


わけもわからず私は妻にお茶を出す

妻は言う

節操がどうの

家庭がどうの

愛情がどうの


これはピンチです

ピンチですよね?神様。

昼間に会社で上司に怒鳴られているときに

頭の中で鳴ったアラームがまた

鳴り響く


男と別れるか別れないかを執拗に問い詰められ

実家の両親を思い出す

私が高校生の頃には会話の無かった両親
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