一本の柳/肥前の詩人
 
               こうず まさみ  

一月に入って
やっと 柳の葉が 散りました

出かける前 ふと 庭に視線をむけると
たおやかな 枝に
水晶が 一列に 並んでいました

曇り空に きらきら
色添えて いました

花壇の下の地面に 根付いて 三年
妻が 植えたものです
切り花として 買った 柳の枝一本
夫婦のきずなが 根を張るように
願いこめて 植えたのでしょうか
年追う毎に すくすく のびます

花も 実も つけなにのに
しなやかな 強さに
ひかれるのでしょう

外では ついに 湾岸戦争が 始まりました
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