ストロボが教えてくれたこと。/結子
 
白い光でスキャンされ
忘れていた癌がズキンとする
お母さんの両手から
ポオンと青空に放り投げられた開放感と孤独感
夕暮れの罪悪感
ランドセルの手触り
時が止まったせいで
古い記憶がジワリと染み出してしまう
うれしかったことも
悲しかったことも
小さなカラダとココロが感じた嘘のない記憶ごと

未来に残すための写真
過去を写すためのストロボ
今の私は、もう一人の私を見抜けない

写真は真実を写さない
すべてを写すのは
遠い未来に私を射抜くストロボ
ストロボに射抜かれる今の私じゃない私

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