星空/円谷一
 
々は立ち止まったり動きを止めたりして見上げていた 僕はある男の海パン姿が違和感に感じた
 僕も文庫本から目を離し思わず空を見ていた 童心に返ったような気分になってにやけている自分がいた いつまでもいつまでも見ていたくなって 温くなったコーヒーを胃に流し込み 会計を済ませると もっと人がいなく周りに障害がない所で星空を見ようという気になって 僕は車を人里から離れた場所へと移した そして辺りになにも無い草むらに着くと 僕は車を降りてその草むらの真ん中で大の字になって空を見上げた
 そこには満天の星空よりも満天な星空が輝いていた 僕は映画でも見ているような気分になった 今にも星々が落ちてきそうで 僕は心がこの星空の為に解放されたような気がした 何時間もそのままの体勢で星空を見ていた 僕は世界に一人だけ取り残されたようで 暖かい星々の眼差しが心を和ませた そんな気持ちのまま瞳を閉じて 終わりの見えない眠りに就いた
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