琥珀色の悲恋/渡 ひろこ
 

アナタがぼやけて見えて
溢れ出るものが頬をつたいカップの中に落ちた

   

    哀しくて泣いているんじゃないわ
    抵抗してもアナタに支配されてしまう自分が情けないのよ
    おざなりの関係ならもう結構よ
    ワタシは強く生きたい
    だけど・・・
    ピリオドを打ちたくてもできない弱いワタシがいる
    悔しいけどアナタを愛してしまったから・・・
    そしてそれを見透かすアナタがいる
    



伝えられない想いと
もどかしさに
また琥珀色の液体に
滴がポタポタ落ちていった






戻る   Point(9)