雪月花/雨宮優希
 

まるで子供のように
花火が見たいなんて言うから
僕は少し呆れ顔で 君の頬つねって
君は少しふくれ顔で 僕のマフラー締め付ける

眠りから醒めた街の片隅
潰れかけのディスカウントショップ
ようやく見つけた夏の名残りの線香花火



人気のない公園 錆び付いた鉄棒のすぐ傍
忘れられたトンネルを通り抜けた その先
二人ぼっちで花火大会開いたっけね

凍りついた時計の針 見てみぬ振りして
月だけが照らし続けるそら見上げ
儚く散った火の玉
かすかに震える口唇にもれた


「サヨナラ」















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