光の軌跡/朽木 裕
ゃ駄目だよ?」
「誰が走るか!」
オレンジペコーに舌をひりひりさせながら向かいに目を遣れば、
ケーキ、ケーキ、ケーキ、プリン、白玉(餡子なし)、
ソフトクリーム(大)、ティラミスで一山築かれていた。
「…」
「あっ目を逸らすなよぉ」
「…いい加減、甘党って認めたらどう」
「違うもん」
「違いません!!!」
「はぁい」
やっぱり私の来世は君のお母さん、かな。
輪廻転生の際にちょうどそこのポジションだけ空いているみたいに。
出逢うべくして出逢うのだろう。
「ね、幸せになろうね」
夜を切り裂く光の筋を目で追いながら指きりげんまん。
私達の生きる今現在に燦然と光の軌跡。命の約束。
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