ディスコミュ/影山影司
蒸し暑い夏場の午後に 蒸し暑い車の中で
君は何故だか一言も喋らない
目はただ前を見つめるばかり 目はこちらを向かない
なんだか寂しさを憶えて なんだか恐ろしさを憶えて
僕はラジオから流れるニュースに 関心のあるフリ
いつもならお気に入りの歌を流す車内に
いつもとはちがう有名な歌を流す車内で
君は何故だか一言も喋らない
君が流れる曲を 細く小さく口ずさむから
僕も流れる曲を 細く悲しく口ずさむんだ
何を喋れば良いかわからないから 口ずさむんだ。
ねぇ、君が歌ってるのは喋りたくないから?
誰もが知ってる有名な曲を流し続けるカースレテオの
ただひたすらマネを続ける僕と君
僕はそうすることで 君と何かを 交わしたフリ
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