おい、おまえ絶対見るなよ/那津
 


金色に輝く馬に乗って、その侍は私の住む村を横切った

もちろん金色の馬なんていないわ

それは、“そう見えた”っていうだけのことだわ

その日、井戸で昔好きだった人が、パイプをくわえながら

都々逸を歌っていた


“あぁ 別れがぁ 野に咲かぬ 昼の  あぁ 酒の夢”


酔っていらっしゃるの?

「いや、酔ってはいないぞ」

そうですか あの水を汲んでもいいですか?

「ああ、好きにしろ」

はい、そうします

「ふん、気の強い娘だな、、
       そうだ、今日の夕方、ここに侍が通る
              そしたら
 これを
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