天使/なかがわひろか
べきかとしばらく思案した
その間天使たちは部屋中を飛びまわり
花瓶だとか写真立てだとかありとあらゆるものを倒して
部屋は散々な様になった
まず羽をなんとかしよう
僕は近くにいた天使から羽をむしりとっていった
羽をむしられた天使はキィキィと
交尾のときとは少し違う声で
部屋中を駆け回った
僕は部屋中に溢れ返っていた天使の羽をむしりとって
残った天使の本体は
お腹も空いていたことだから
食べてみることにした
焼くと天使はとてもおいしそうな匂いをして
僕のお腹はキュルキュルと鳴った
天使はなかなか美味だった
今度友達にも食べさせてやろうと思った
かと言っ
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