創書日和「窓」 いまごろきみは/
逢坂桜
の尻拭いだ
いまごろきみは
あの夜、一時間も一緒にいただろうか
最初と同様に、彼女は視線で促し、背を向けた
未明の器物損壊事件は「よくある話」と締め括られた
話すこともなく、眼を合わせることもなかった
いまごろきみは
いまごろきみは、どうしてるだろう
思い出は忘れて、青筋を立てて怒っているだろうか
いまごろきみは
そう考えたら、思わず笑いがこみ上げて、
ひさしぶりに、笑った
いまごろきみは
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