月は見えない/山崎 風雅
 
ひたむきさは許されず
素直さは捻じ曲げられ
行く当てはなく
なにもないわけではないけれど
ざわめくのは、やはり僕もであって
目的地なんて季節のように
移ろい続けるんのだろう

しとしと哀しみの調べで雨が降る

ここは何処だろう

一人きりの部屋の窓から
夜空を見上げて
僕の心は白く染まっていく

月は見えない

夜明けを待つ



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