逃げ水/umineko
な計算だったり、一瞬の気の迷いだったり。私たちは感情とともに生き、それに左右される。私たちの営む世界というのは、そのファクターで大きくぶれてしまう。感情労働という用語もあるらしいが、はっきりいって感情なく生きることは不可能だ。どんなに単純な作業であったとしても。
たとえば、ハートウオームな作品を書く。書いている瞬間、私の内部にはそれを裏付ける感情があって、それは嘘ではないのだけれど、書き終えた瞬間、それは過去で、さらに推敲でもしようものなら、冷徹な編集者の目で作品は削がれていく。
さらに作品が出来上がったとして、それをどのタイミングで、どの場所に送り出すのか。ネットなのか、紙媒体か。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)