初恋/小原あき
 

証だった


すべてだった


君を思い出す


甘い香を含んで


そればかりが
膨らんだ風船のように

それとわたしとは
ひとつの白い紐で
永遠に繋がれている


儚く
強く




あのころの
空は
青く澄んでいて

すべてが
鮮やかに
きらきら、と


今でも
紐を手繰り寄せて

風船の中は
甘い香が
増すばかりで











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