初恋/小原あき
空気で身体を洗って
空を仰いで
膨大な宇宙に
飛んでいく
あのころの
空は
青く澄んでいて
忘れられない横顔
長い睫毛が
煌めいていた
そのすべてが愛しくて
宝箱にそっとしまった
思い出は
悲しくても
しっかりしまわないと
零れてしまう
白い砂みたいな記憶
さらさら、と
思い出になることも知らずに
ひたすら生きていた
想像と希望の日々を
日毎、成長を繰り返して
一瞬の嵐のように
感じた日々も
実はそよ風のように
ゆっくりと優しく
きらきら、と
輝いていた
それは生きている
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