6時限目/ヨルノテガム
んでばらばらに
羽を背中に生やして、スヤスヤやかに眠っていた
大人は至って冷静に
台所の包丁と
日曜大工のノコギリと
趣味のアーミーナイフと
隣家から借りたチェーンソーを用意して
羽をザックザク もいで捨て切った
部屋は羽毛に舞い あまりに酷い狂乱の光景に
こどもたちのひとりが
糸電話の片方を
大人の耳にそっとあてがった
「もしもし 苦しみ
こちらにくれないか どうぞ」
大人は一息置いて
涙し、応答を返すべく耳から口へ
コップの向きを替えたとき
目の前
プツンと
糸は鋏で切られた
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