ラムネ瓶/倉持 雛
あの時と変わらない
今日の空に
ラムネ瓶をかざしてみたら
緑色にぼやけた小さな粒を見つけた
―
暑くて眠れない夜に
夜中電話をした窓越しで
僕ら同じ星を見てるんだね
なんて ちょっとロマンチックなこと言って
次の日の同じ虫さされ箇所を
指さして笑い合った
夕方の海辺で
サンダルを脱いで
走りまわった
ワンピースの裾をつかんで
君を追いかけた
夕日が沈むその刹那に
そっと ふたり キスをした
おみやげ って
君が買ってきたラムネ瓶2本
喉を優しく刺激する感覚と
心地良い風鈴の音
ビー玉に夢中になっている君を
見つめている
その時間が好きだった
―
この緑色に
君の歪んだ笑顔が
見えたような気がした
炭酸水をそっと口に含むと
しゅぱしゅぱって弾けて
涙みたいな味がした
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