妄想の露/白昼夢
 
青空の交差点で雲と海が重なった
飛んでいく鳥は遠くを見ている
照りつける太陽に入道雲がのしかかり
ぬるい雨が大地を濡らした

締め切った部屋で起きたそれは
終わってしまったものの果て
生まれるものはいずこから
そしていずこへ消えていくのだろうか


あそこに空が見える
あそこへ飛んでいきなさい
目指すものは空の果て
留まる世界はゴミの山

橙の空に見えたのは
飛んでいくカラスの群れ
かわいい七つの子が待っている
住処を目指して

夜の帳が下りた頃には
もうそこには何も待ってはいない
深い夢の中
誘う睡魔と暗い空

暁のひかりが見えるとき
空は淡い薄紅に
雀の鳴き声と
鳩の憂鬱が流れていく

瞬く夢から覚めたとき
人通りを焼き尽くす
灼熱の空と
遠くに見える刃物のような青
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