来訪/かや
回り切ったレコードが
すっと静寂を引き戻すと
窓ガラスに雨粒がぱらぱらと落ちている
照明の橙と
電気スタンドの白い光が
紅茶の湯気を溶かして
訪れる
こんな日はいつも
秋の雨は思うほど
冷たくないの、と言い訳するみたいに笑った
伝う雫は連なって細い体を潤していた
それに見惚れて
僕は気付いてやれなかった
水溜まりを撥ねながら車が遠ざかる
酔いに浮かれた鼻唄が
ゆっくり通り過ぎていく
赤色の傘は開かれないまま
追いかけなかった僕を責めて
あまり濡れてはいけない
夜はまだ 冷えるから、
一人よがりを甘く包む
雨の季節が来る
戻る 編 削 Point(6)