井戸/はじめ
 
線の先に午前の光と混じり合った暗闇か孤独かを感じて、流れる時間に感謝した 僕は生きている キセルを逆さにして灰を落とし、底にまんべんなく広がるように足で掻き回した ここは僕の領地だ 空とは遮断されているが世界とは接続されたままになっている 底に腰を降ろし、溜め息を吐いていると、この地面の下には、何かがある という予感が胸の中の中心の水に近い液体が膨らんだ この軟らかい土を掘ろうと決めた と同時に君とセックスしたい願望が脳を満たした セックスの行為を想像しながら、一旦村に戻って、爺ちゃんの家の物置から錆びきったスコップを取り出して、再び井戸の底に帰ってきた 土はどんどん掘れ、片側には土の山ができてい
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