曇のち晴の世界/霜天
 
薄曇の中途半端な昼下がりです


どうにかなるとつぶやいたあなたと
なんとかなると空を仰いだ僕と
いかがお過しでしょう
青混じりの雲は風に流れて
それでも僕等の真上です

少しずつ足元から未来が侵食してきて
選択肢が溢れ出してくる
とりあえずおなか一杯に
どうなっていくんだろうとか詰め込んでみるけど
満足なんて出来るわけもなく


曇のち晴
表か裏かの単純さで
進んでいければいいのにね
どこもそこも隙間が多くて
知らないうちに捕まってしまう

どうにかなりそうで
どうにもならないことを
選び取っているのは結局僕等で
見掛けは輝いてみせるから
いつだって扱いに困るんだ


曇のち晴
そんな単純さで世界が回ってるとは思わないけど
無いものを望んでしまうのは
僕等が僕等でいるためかもしれない


曇のち晴の世界
晴れたら何が見えるだろうか
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