輪廻の雨/千月 話子
 

雨夜の雫をはじきながら
私の元から行ってしまうのだろうか


代わりに 道々へ
ダイヤモンドの欠片を残しても
私はそれを 受け取らない


ヘンリー ヘンリー
あなたの可愛い子供を頂戴
そうして 雨の朝やって来る
ほの白い小さなあなたを両手で包んで
丸い西洋窓の傍に座る


「ヘンリー 私の膝の上でお眠り」


雨が2人を 垂直に囲う













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