搾取/
朝原 凪人
銀色に輝く
紋白蝶の魔法の粉
きらきら
どれほど集めれば
自由に羽搏けるといふのでせうか
あをいそら
一枚二枚
母の髪を梳くやうに
幼い私
蝶の翅をもぎ取るのです
やさしく
ですが私の軆(からだ)
地表を漂ふだけ
ふらふら
そこには
かつて蝶の一部だつた
ひらひら
かつて蝶だつた残骸
ばらばら
私はそれを
眺めておりました
からからと
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