大人道化/doon
 
代という闇は限りなく大きい
 ときに
 まったく人知れず佇む一軒家に帰って
 あったかいご飯を前に、家族と口げんかしながら
 寄り添った布団の中で眠りたい

 ヒタ ヒタ ヒタ
 足音続く
 道すがら、ドスリと倒れる音を聞いた
 いがみ合い、誰かが突き刺した黒い刃に倒れたようだ
 素振りまでは許される刃
 人に向けたときに
 人が死ぬんだ
 振り返りもせず
 何も聞こえないまま
 何も見ないまま
 果てへ
 ヒタ ヒタ ヒタ
 そうして僕は
 道化になった
 子供が嫌いな笑った仮面をつけた
 道化に
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