その日の何日か前/なかがわひろか
死刑になることは分かっていたので
僕は宣告されてもそれほど驚くことはなかった
それよりも頭の禿げ上がった裁判長が
息を荒げて僕を叱責する様がおかしくて
僕は吹き出しそうになるのを
こらえるのに必死だった
僕は牢屋に入れられた
後何日かしたら刑が執行されるけど
それまでの間はここで暮らさなければならない
僕はそれなりに快適に過ごしたかったので
ベッドやその他いろいろなものを動かして
牢屋の模様替えをした
なかなか悪くない
朝と昼と晩には
ご飯が運ばれてきた
ご飯を運んでくる人は毎回違う人で
話しかけて仲良くなれる人もいれば
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