わたしのそばにそれがきたとき/美砂
きてゆけると
思った
急にさわがしくなって、
目が、あいた
おねえが、二段ベッドの上からわたしをのぞいて
大笑いしてた
「あんた、寝ながらピアノ弾いてたよ」
なあんだ、夢かあ、なあんだ、そうだよな
ありえないもん
でも、なんだろ、あの喜びは、
今までで一番うれしかったような気がする
目をこすって、変わりない部屋を見回す
つくえのうえに
いつものキーボードがひとつ
さみしそうにのっかってる
目をそむけてしまってから、
かわいそうになって
さわりにいった
※Nちゃんに、愛をこめて。
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