高架上食堂の朝/hon
高架のさらに上にあるからって
べつに高い所が好きだったわけじゃない
バカとネコは高い所が好きというけれど
やむかたなくこうなったというか
おれもむかしはひとなみに世間にでて
多様な人間同士の引力だか斥力にうながされるまま
あちこちさまよったあげく
しまいにはねりだされるようだったというのかな
まあ、どんな世界にも大きな存在というのはいて
キーパーソンとかよばれる
それは多くのせめぎあう運動の中心にいすわって
どっしりおちついていられるやつ
でもおれはそういうのじゃなくって
バカかネコのたぐいだったということか
すみっこのほうにねりだされるようにして
上へ上へのぼってい
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