「朱の刻」 (青年詩片)/ベンジャミン
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる
(朱の刻)
その頃眠りにつくのがいい
いろんな唄も聞こえるだろう
そして届かない場所を揺らすだろう
鮮やかな窓のむこうが
知らない顔でいる雲や空で
いつも違う驚きがある
(大きすぎる)
そんな深呼吸をすれば
何か一つ無くなってもきづかない
悲しみが多いほど
当たり前が眩しくなるのは
生きるためだと
木々もそんな手を広げて立っている
感じることを許されたのは
いったい何のためだろうか
すべてのものに問えば
見つけたい答えになる
開け放たれた世界に身を乗り出して
風にさらわれようと
大きくなった心の片隅にはきっと
あきらめが濡れているけれど
希望の浮力で持ち上げよう
(それができる)
毎日が違う目覚めであることを
知っている
だから
眠ろう
今は
二つの孤独が出会っても
それが淋しさにならないように
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