「ものとおん」#7−#9/リーフレイン
 
でかちんかちんと鳴らして餓鬼が催促の歌を歌う
調子っぱずれが楽しい 
家中で一番若い娘がお酒を杯についでご機嫌をとっている
餓鬼の飲み料は多いから
家中の入れ物全部に酒を満たしておかなければならない
母はまだ漬物を切っている
上機嫌で餓鬼と一緒に酒を飲んでいる大伯父は、
中途半端に酔いが回ると説教魔に変わるので
うまく酔いつぶす算段をする
母はまだ漬物を切っている わたしはそうめんをゆでる 
そうめんがゆであがる間に、墓磨きにいってこなければならない
年ごとに、施餓鬼の宴は騒々しさを増していく
苔むした墓石を草の束で磨きながら、

ふぇふぇふぇ

ふぇふぇ ふぇふぇ ふぇ 

笑った

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