夏/はじめ
に輝いていた 繁華街は賑やかだった 僕は千と千尋の神隠しのあの街並みを思い出した 瓜二つだ
酒場に入って 不慣れなアルコールを飲んだ 君のことを思い出した 女性のバーテンダーが君に見えた?
帰り道をとぼとぼと上っていく 振り返ることはしなかった もう夏は僕のことを呼んでいない 二度とここへ来ることはないだろう 夏が君の元へ還ろうとしている
坂を上りきる頃にはまた太陽が上がって来ていた やれやれ死ぬまでそんなことを続けるつもりかい? と僕は呟いた 太陽は朝の新鮮な匂いを運んで来て 僕を穏やかにした
坂道を再び下る 僕の肩には君が手を載せている気分はもうしないんだ
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