夏/はじめ
詩作以外何もすることは無く その途中 突然夏が呼んでいるような気がして 外へ飛び出し 自転車へ飛び乗った
君が後ろに乗っているような気分で 長い長い上り坂を必死に漕いでいった
太陽はギラギラと輝いていて この数日で知らない自分に変わってしまったような気がした
頂上に着くと僕の知らない海と街がキラキラと輝いていて 突っ込んで行きたい衝動を抑えて体重を傾けて下へ降りていった
風が気持ち良かった 汗が飛んでいった 涙が思わず溢れてきた 君のことが過ぎ去る景色のように思い出されてきて 僕は涙をゴシゴシと拭いた
そのままのスピードで街を過ぎ浜辺で車輪をとられて自転車から放りだされると砂
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