彼/
奥津 強
ある日、一人の姦淫殺しがいたから、おれたちの仲間だった存在の一人が、遺体になっていた。
結果、破廉恥罪で躁鬱を経験した者だと思ったので、おれはその”人間”に何か語りかけた。
ぐああーお1
ぐああーお
ああ、やはり白痴なのだな、と恋人が言い、
ぐああーお2
と言ったがリフレインではない証拠に、エッフェル塔を日本に持ち込んだのは、彼だったので、おれは、やはり、
相容れない者と一緒に、世界を共有するのは嫌なものだな。
と思った。
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