ブルー・ブルー・ブルー/雨宮 之人
 
気付いてみれば
そうか、俺たちは流浪しているのか
街の名前は今
4度変わって、新しくなった

帰る場所があるだけで
何度も境界線をまたいで
風に吹かれなくても、俺たちは
根無しヨモギの真似事をしているんだ

こんな晴れた日には
こんな青空の日には
終点まで降りないでいたい
こんな
満員電車でも空が飛べそうな日には

繰り返すには、死ななきゃいけないんだよ
心が停まってしまっていることに
俺はいつから気付かなくなったろうか
こんな晴れた日には
思い出されて泣きそうにもなる

青い、青い
街のいびつな地平線の向こうが
青い、キラキラと、青い
思い出すよ
[次のページ]
戻る   Point(1)