「ものとおん」#6/リーフレイン
 
た水面があり、知らぬうちに涙でくしゃくしゃになった顔を差し出し、搾り出すように声をあげた。
ぼたぼたと涙が井戸に落ち、波紋がいくつも広がる。
井戸の底のほうから、ふつふつっと泡があがってきて、
{引用=

屋根裏に通じる階段は、 扉の奥に隠された急勾配で、
無垢の黒い板でできていた
かび臭いような埃臭いような匂いが鼻をつき、
昼間であっても薄暗い屋根裏がかすかに見える

本当は禁止されているあの場所へ、
一人でおそるおそる上がってみる
半分あがって怖くなって降り、もう一段上がって、
躊躇って飛び降り、
さらに一段上がって、ようやく着いた

木のつっかい
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