海賊/はじめ
 
いった 必死の思いで立ち上がるとそこには 今まで海賊達に殺されていった人々の霊が立っていた 冷徹なさすがの船長もこの時ばかりは腰が抜けて 壁の行き止まりまで後ずさりした ぼんやりと青白く光る霊達は手を広げて船長に近づいていき みんなで首を絞めた 船長は口から泡を吹き出し息絶えた 霊達はうっすらと微笑み そのまま消えていった
 船長と船員達は亡霊となって海賊船は幽霊船となった 亡霊になってもやることは同じで 各地を荒らし回り 他船を沈め 自分達に相応しい肉体を永遠と探している 船長の手にはあの宝の地図が握ってあり 自分達を殺した人々の霊の行方も探している 天国まで行ってはそれらの人々を再び略奪し 
[次のページ]
戻る   Point(4)