海賊/はじめ
巨大な波が船を覆い被さって船員達は一気に目が覚めた
ギラギラと照りつける太陽が眩しい
船底が水浸しだ
片足の無い船長に怒鳴りつけられ 船員達は踊る強靱な肉体を動かして水捌けをする
目的地はとある街の骨董屋で見つけた古めかしい地図の指し示す宝島 船長率いる海賊団は各地の港町を荒らし 他の船を襲い 金銀財宝 女子供 食料を略奪し 好き放題やって 人々の脅威となっていた
船長は望遠鏡を見て 地図と照らし合わせ 「面舵一杯!!」と張り叫んだ
威勢のいい木の軋む音を辺りに響かせながら 海賊船はゆっくりと方向を変え 全力全身で宝島へ向かった
宝島の上の空は暗黒の雲で覆われてい
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