ランジェリー・ラヴ/はじめ
 
 新緑の大草原で海から吹き抜けてくる風を全身に浴びて 君は古内東子の『淡い花色』を唄った 君の甘くも切ない歌い方に僕の胸は熱くなってくる 最後の「ランジェリー・ラヴ…ランジェリー・ラヴ…」というところを歌い終えると 君はにこやかな顔で僕の所へ歩いてくる 僕と君は見つめ合ってそのまま抱き合おうとする しかしその瞬間に君は消えて 他の男性と手を繋いで夕日の沈む海へ歩いて行っているのが見える 二人はそのまま海の中に沈んでいって頭が見えなくなる いつも通りの結末だ
 しかし僕が夜になって眠っているとふっ とずぶ濡れで海草が体に絡み付いた君が笑顔で立っている 片手には僕が君にプレゼントした巻き貝が握られて
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