俺も二宮金次郎/構造
 
薪を背負って仕事にはげみ
兄弟仲よく孝行つくす
このやろう
このやろう
俺だって二ノ宮金次郎だ

ああ、薪は
大自然だな

釜にたかれて腹をいやし
家をいぶして虫をふせぎ
灰となってはちらばって
これだけやくにたつのなら
幾らだって切ってくれるが
そんな膂力はそうそうない

おれは
びしょぬれにへばりつき
森もりとほっくりしてやろう
地にしみわたることなく
くさや木皮で飢えをしのぎ
べたべたなめくじひっつけて
おれが苔だらけの
二ノ宮金次郎になって
身をばたてたと戻ってきたら

オヤジやおふくろは
腰ばぬかして歯をふっとばし
ああぶっだまげんだろうなあ
ぶったまげんだろうなあ
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