第二次アイデンティティは深い/doon
 
私だけだから
 だめだ!

 そういうことを知りたいんじゃない
 【微細な電子が眼球内で信号を伝え、それらを見せているに過ぎません】
 違うんだ!

 「どうして私は【僕は】、私はここで見ているのかを聞いているんだ!」
 私という人間は
 雑作もなくまた目を閉じた


 それを、マバタキと言う


 ここに見える景色から必死に堪えることを覚えて
 探して ――まだどこかに、あるって信じて
 切り取られる景色の片隅にまで目を凝らし
 私はここに居る

 どうして私がこの瞬間にここに居るのかを、確固たる意志で問う
 そして
 最初の自己同一性が 揺れる 縮む
[次のページ]
戻る   Point(1)