第二次アイデンティティは深い/doon
私だけだから
だめだ!
そういうことを知りたいんじゃない
【微細な電子が眼球内で信号を伝え、それらを見せているに過ぎません】
違うんだ!
「どうして私は【僕は】、私はここで見ているのかを聞いているんだ!」
私という人間は
雑作もなくまた目を閉じた
それを、マバタキと言う
ここに見える景色から必死に堪えることを覚えて
探して ――まだどこかに、あるって信じて
切り取られる景色の片隅にまで目を凝らし
私はここに居る
どうして私がこの瞬間にここに居るのかを、確固たる意志で問う
そして
最初の自己同一性が 揺れる 縮む
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