14P 「短歌2」より/むさこ
 
単純もよきときあると自らと
慰むるとき 時雨の音する


ふれ合いし手の冷たさは言はずして
春雪消ゆる早きを語る

尋ねきし人は留守にて山茶花の
散り敷く庭に一人ごちする

我が裡をあたため呉れし人帰り
ゆり椅子に温き体温残る

"うめもどきよ"と言う声に振り向けば
赤き実の下母娘寄り添う
           (植物園にて)
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