小さな君/doon
 
ど、ぼくは!
 ぼくはきみをすくいたい!

 涙の跡を乱暴に拭いて僕はかき集める
 少なくなった 君
 もういい
 僕の母と
 君の母が言った
 だけどそこには
 君がいたんだ
 君が
 君が!!

 僕は!


 あの時、少し逃げた
 どうしたらいい
 そう言ってばかりで逃げていた
 強く握る
 小さな君を
 僕は精一杯握り締めた

 ごめんって
 僕は言えなかった
戻る   Point(3)