小さな君/doon
 

 僕は 僕は!!
 この粉をすべて掬いあげたい
 手から一つ一つが
 暗闇に吸い込まれていく
 僕は服を使って
 口も使って
 両手も使って
 全部残らず掬い上げる気持ちで
 かき集めても
 かき集めたって
 溜まらないじゃないか!
 すく

   僕は!!!

 全部救うしかないんだ!
 握り締めるだけで壊れていきそう
 ガラスが割れてしまう前の瞬間を僕は
 知った
 だけど! だから!
 僕は救いたいんだ

 君の姿を見たときから
 聞いたときから
 僕は逃げ出したかった

 僕は!
 絶望から脱力して
 崩れ落ちた

 だけど、
[次のページ]
戻る   Point(3)