街の指揮者/酸素の枷
 
胸ポケットには入らないよお前は
少し大き目だし ましてやiPodでもないし
そりゃあ 買い換えようとも思ったけど
まだお前でいいのさ 音楽が聴けるんだから

耳に蓋をして 外界から離脱して

マスター 選び抜かれたいつものお願い

ミニディスクが回りだす
僕の鼓動と共鳴する

つま先が言う事を聞かない
こんな人込みの中で パタパタとリズムを刻む

首の奴も悪乗りを始めやがった
ブンブンとリズムを振る

まいったなぁ こりゃあ流れに任せるか

この音楽は僕しか聴いていない
この音楽しか僕は聴いていないのか


関係ねぇな


視界に広がるスクリーンと
それに合う音楽も僕が決める

お前の存在は
そのための一部なんだろう?

風景に音楽は 僕を主人公にしてくれる 


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