11P 「短歌2」より/むさこ
 

洗濯機の渦に心を巻き込みて
しみつく澱も洗い流せり

長雨のやみたるあとに松葉ボタン
閉ざせし心も開くがに咲く

娘が生けし菊に顔寄せ深深と
秋の香かげば夏も惜しまる

二十世紀のしたたる汁に指ぬらし
頼まれて聞く子の弾くギター
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