声/
たもつ
う話してはいけないことしか残っていない
かのように沈黙している
一進一退が終わらない感じがして
あたりは少し寂しい
窓の外にはありきたりに月がある
月明かりのしたわたしは歩き続ける
お客さん、窮屈ですいませんね
運転手の声が遠くから聞こえる
気にしないでください
と答えはしたものの
それが声なのか
もはや自信もないほどに
少し汗をかいている
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