「幸福の定義」/和 路流(Nago Mitill)
 
無いものねだりなんだ、僕らは。
今 ここに無いものばかり欲しくなって、追ってしまう。
冷めた日常のなか、本当に大切にすべきもの どこかへ見失っていく。

衣食住 足りていれば、ヒトとして十分なはずなのに、
今や、お腹が いっぱいでも、僕らは幸福になれない。
ささやかな日常に鈍くなった心が、満ち足りない寂しさで僕らを駆り立てる。
空しさを埋める糧を、僕らに追い求めさせる。

無いものねだりなんだ、僕らは。
ここに無いもの、まだ手にしていないもの、ありふれてないもの、自分のものにすれば、
幸福になれるような、そんな気がするんだ。
だから、死が少なくなった こ
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