繋がっていくもの/はじめ
た土地名や建物の名前や風景が数多く存在していて私は第2の故郷に帰ってきたような気分になった お墓に着くと お花と彼の大好物だった最中をお供えして線香を上げた 初夏の空は雲が青空に溶けていて穏やかに移り変わっていた 私は仰いだ頭を戻し何故か涙が出てきて頭を下げて礼をした そして私は思った そうだ 私もいつか詩集を出そう そしてこの細く繋がってきたものを途切れさせないように次の世代にバトンタッチさせなければならない 私の心は明るくなってよし! とガッツポーズをつくって帰りの道を歩いていった 壮大な夕焼け空が西の空に向かっていくごとに濃くなっていって いつも見ている太陽とは違う太陽がそこにはあった 私はそれとは対称的に伸びているのっぽな自分の影を見て顔も知らない彼のことを想った
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